「中国の対日行動を読む」(清川佑二著、パブファンセルフ)

本の紹介

 中国は分からない国、信用できない国家という言葉をよく聞きます。しかし本書で語られている中国は、分かりやすく一本道で共産主義体制の理想国家を築き上げるため着実に歩いている姿を内外の膨大な文献、資料を読み解いて示した内容で埋められています。

 全編にわたって習近平主席の考えを過去の歴史的発言を基に引用しながら、時に客観性を意識しながら論評を加えて書いたもので非常に分かりやすい。中国が西洋型の民主主義とは違う価値観ではないかと思わせる発言や政策、行動が見られますが、著者はそのことを西洋の憲政民主七思想を排除する中国独自の政治文明圏のことであり、習主席から強固な岩盤政治思想として確立されてきたものと書いています。

 歴史的背景と文献、通達、政策などを通じて、着実に進めている状況を解説したものですが、それは国内にとどまらず、中国式現代化を世界に提唱している現実をさまざまな事例の中で明らかにしています。

 それはとりも直さず習近平思想そのものであり、教育、個人、社会の隅々まで浸透させていることは、世界一の人口を誇る国家だけに、その影響力を考えないわけにいきません。

 習主席主導の共産党一党独裁の政治ですから明快であり、台湾有事関連の高市首相の国会答弁から日中対立になった理屈は、大変よく理解できました。中国の政治思想と歴史を見れば、明らかなことであり、この本は中国だけを語ったものではない、日本の未来外交や日本人として隣の大国とどう付き合うべきかを問わず語りに示唆した文献でもあると思いました。

 数多く出ている中国論書籍とは、似て非なる方向から問題点を整理して浮き彫りにさせたもので、大変ためになりました。

 果たして中国は、アメリカを抜いて世界トップの軍事、経済大国に上り詰めることになるのか。教育制度がしっかりと根付き、潜在的高度人材数で抜き出ている中国であり、日本は歴史認識にたちながら互恵国家への道を模索すべきことを示した書籍と受け止めました。

多くの中国人と交友関係にある筆者にとっては、違和感なく読み進めた優れた中国啓発書であり、有意義な時間に浸りました。多くの人に読んでほしい本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました